賃貸の仲介手数料を払いたくないときの対処法4選|プロが徹底解説

仲介手数料って、払わずに済ませられないの?

案内してもらった会社とは別のところで契約したらダメ?

仲介手数料は、契約の前に手を打てば払わずに済むこともあります。

ただし、契約が成立したあとで「払いたくない」と言っても、支払いの義務は消えません。

一方で、仲介手数料の欄にこだわらず見積書の合計を見る方法なら、ほかの項目で手数料と同じくらいの金額が浮きます。

ここで取り上げるのは、払わなくていいケースと4つの対処法、払わなかったときに起きることです。

読み終えれば、契約前に何をしておけば損をしないかがはっきりするはずです。

目次

仲介手数料を払わなくていいケース

契約が成立していなければ、仲介手数料を払う必要はありません。

仲介手数料は、不動産会社が契約をまとめたときに受け取る成功報酬です。そのため、支払いの義務が生まれるのは賃貸借契約が成立したあとです。

払わなくていいケース
  • 申し込みを撤回したとき:契約前なので費用はかからない
  • 入居審査に落ちたとき:契約に至っていない
  • 仲介手数料なしの物件で契約したとき:最初から請求されない

申し込みを撤回したとき

申し込みは契約ではないため、取り消しても仲介手数料は発生しません。

申込金を払っていても、全額が返ってきます。宅地建物取引業法施行規則(第16条の11第2号)は、申し込みを取り消した人に預り金を返さないことを、不動産会社の禁止行為として定めています。

「手付金なので返せない」と言われたら、その根拠を書面で示してもらいましょう。

入居審査に落ちたとき

審査に通らなかった場合も、契約は成立していないので請求されません。

預けた申込金も返金されます。落ちた理由を教えてもらえることは少ないものの、別の物件で申し込み直すのは自由です。

支払いのタイミングそのものは、こちらの記事でくわしく解説しています。

仲介手数料なしの物件で契約したとき

最初から仲介手数料がかからない物件もあります。

たとえば、貸主が自分で募集している物件や、UR賃貸住宅です。仲介する不動産会社がいないため、手数料そのものが発生しません。

反対に、不動産会社の仲介で契約したなら、上限の範囲で手数料がかかるのが原則です。上限の決まりは、次の記事にまとめています。

すでに申し込みを出している方は、まず預り証が手元にあるかを確かめておきましょう。

払いたくないときの4つの対処法

払わずに済ませたいなら、どれも契約の前に動く必要があります。

対処法
  • 無料の物件を選ぶ:自社管理物件や広告料が出ている物件は無料になりやすい
  • 貸主と直接契約する:不動産会社を通さなければ手数料は発生しない
  • 内見前に見積もりを比べる:同じ部屋でも会社で手数料が変わる
  • 申し込み前に交渉する:金額と「この物件で決める」をセットで伝える

方法ごとのくわしいやり方は、次の記事で7つに分けて解説しています。

無料の物件を選ぶ

物件情報サイトの「仲介手数料無料」で絞り込むのがいちばん早い方法です。

無料にできるのは、不動産会社が管理を任されている物件や、貸主から広告料が出ている物件が中心です。どちらも、不動産会社は貸主から報酬を受け取れるため、借りる側の手数料をゼロにできます。

無料になる仕組みは、こちらの記事でくわしく解説しています。

貸主と直接契約する

不動産会社を通さなければ、仲介手数料はかかりません。

ただし、宅地建物取引士による重要事項の説明がないため、設備や修繕の負担は契約書を自分で読んで確かめることになります。

貸主が直接募集している物件は少なく、探すのに時間もかかります。

内見前に見積もりを比べる

同じ部屋でも、依頼する不動産会社によって仲介手数料は変わります。

1ヵ月分の会社もあれば、0.5ヵ月分や無料の会社もあるのが実情です。物件名と部屋番号を伝えて2社から3社に見積もりを頼めば、内見の前に差がわかります。

見積もりを頼むタイミングは、こちらの記事で確かめてみてください。

申し込み前に交渉する

「0.5ヵ月分にしてもらえれば、この物件で決めます」と伝えるのが基本です。

契約書にサインしたあとは、条件に納得したとみなされます。交渉できるのは申し込みの前までです。

交渉の切り出し方は、次の記事にまとめています。

とはいえ、「4つとも自分でやるのは手間がかかる」と感じる方もいるはずです。手元の見積書を送ってもらえれば、仲介手数料を含めて外せる項目をお伝えします。

いまの見積書を送ってみてください

別の会社で契約してもよいか

案内を受けた会社とは別の会社で契約するのは、違法ではありません。

A社で見つけた部屋を、B社を通して借りることは珍しくありません。でふ兄本人も「賃貸を契約する前に必ず他の不動産屋と比較しろ」と話しています。

ただし、乗り換えるタイミングによっては、相手に迷惑がかかります。

乗り換えるときの目安
  • 契約そのものは違法ではない:仲介手数料が安い会社を選ぶのは自由
  • 内見のあとは先に断りを入れる:案内してくれた会社に連絡してから動く
  • 申し込み後は乗り換えない:審査や契約の手続きが動いている

契約そのものは違法ではない

どの不動産会社で契約するかは、借りる側が決められます。

A社で見つけた物件を、仲介手数料が安いB社で契約しても、法律上の問題はありません。B社も正規の仲介として手数料を受け取るため、「抜き行為」にもあたりません。

内見のあとは先に断りを入れる

内見まで案内してもらったなら、乗り換える前に一言連絡を入れます。

案内した会社は、鍵を借りて現地まで同行してくれた相手です。黙って別の会社で契約すると、その会社は労力だけを使ったことになります。

断りの連絡の例文は、こちらの記事が参考になります。

申し込み後は乗り換えない

申し込みを出したあとに会社を変えるのはやめておきましょう。

審査の書類がすでに管理会社へ送られています。同じ部屋に別の会社から申し込みが重なると、管理会社に気づかれ、審査の印象も悪くなります。

比べるなら、申し込みの前に終わらせておくのが鉄則です。

乗り換えを考えている方は、まず内見前の段階で2社の見積書をそろえてみてください。

仲介手数料を払わないとどうなるか

契約が成立したあとに払わずにいると、入居できないうえに、請求が法的手続きまで進むことがあります。

払わないと起きること
  • 鍵を受け取れず入居できない:初期費用の入金が鍵の受け渡しの条件になる
  • 遅延損害金や裁判に進む:督促を無視すると法的手続きがとられる
  • 紹介を外すと報酬を請求される:仲介を故意に外すと支払いを命じられることがある

鍵を受け取れず入居できない

仲介手数料は、敷金や前家賃と一緒に入居前にまとめて払うのが一般的です。

入金が確認できなければ、鍵は渡されません。入居日に間に合わず、今の住まいの退去日と重なって困るのは借りる側になります。

遅延損害金や裁判に進む

支払い期日を過ぎると、遅延損害金が上乗せされることがあります。

民法の法定利率は年3%です。督促を無視し続ければ、不動産会社が裁判を起こし、判決にもとづいて預金や給与を差し押さえる手続きに進むこともあります。

金額に納得できないなら、払わずに放っておくのではなく、見積書の根拠を確かめるのが先です。

紹介を外すと報酬を請求される

紹介された物件を、不動産会社を外して貸主と直接契約するのは「抜き行為」と呼ばれます。

売買の事例ですが、最高裁(昭和45年10月22日判決)は、契約成立の直前に仲介業者を故意に外して直接契約した依頼者に対し、報酬の請求を認めました。

手数料を払いたくないからといって紹介を外すと、かえって高くつくおそれがあります。

払いたくないと感じたら、未払いや直接契約ではなく、契約前の4つの対処法から選んでみてください。

払いたくない理由別の3つの考え方

「払いたくない」の中身によって、取るべき手が変わります。

理由別の考え方
  • 初期費用が用意できない:分割払いや初期費用の少ない物件を検討する
  • 1ヵ月分は高いと感じる:0.5ヵ月分や無料の会社と見積もりを比べる
  • 何の費用か納得できない:仲介手数料に含まれる業務を確かめる

初期費用が用意できない

手元の資金が足りないなら、手数料をゼロにするより支払い方を変えるほうが早いこともあります。

初期費用の分割払いに対応する不動産会社も少なくありません。ただし手数料がかかるぶん、総支払額は増えます。入居後の家賃と合わせて払い続けられるかを先に計算しておきましょう。

1ヵ月分は高いと感じる

宅地建物取引業法の原則は、借りる側の負担が0.5ヵ月分+消費税です。

1ヵ月分を請求するには、依頼を受けるまでに借りる側の承諾が必要です。申込書に承諾の欄があることが多いので、署名する前に内容を読んでおきましょう。

同じ部屋を0.5ヵ月分で扱う会社があれば、家賃8万円なら4万4,000円の差になります。

何の費用か納得できない

仲介手数料には、物件探しから契約書の作成までの業務が含まれています。

物件の紹介、内見の案内、貸主との条件交渉、重要事項の説明、契約手続きが主な中身です。そのため、仲介手数料とは別に「書類作成費」が載っていたら、何の費用かを聞いてみる価値があります。

納得できないまま払う前に、見積書の項目ごとに説明を求めてみてください。

無料の物件で確かめたい3つの点

フリーレント物件に入居した場合の例

仲介手数料が無料でも、初期費用の総額が安いとは限りません。

無料の物件で確かめたい点
  • 別の名目で上乗せされていないか:書類作成費や事務手数料が増えていないか
  • 礼金や敷金が高く設定されていないか:物件側の条件で回収されていないか
  • 入居後の対応に差が出ないか:内見や入居後の連絡が手薄にならないか

たとえば、仲介手数料が無料でも礼金が2ヵ月分なら、1ヵ月分の手数料を払うより高くつきます。同じエリアの似た物件と、合計金額で比べてみてください。

払う前に見積書全体を見直す(自社の実績)

仲介手数料の欄だけでなく、見積書の合計を見直すと、手数料と同じくらい浮くことがあります。

でふ兄不動産に送られてくる初期費用の見積書では、削れる項目が見つからないことのほうがまれです。消毒や抗菌のオプション、安心サポートの会費、指定の火災保険などが代表的です。

外せることが多い項目は、次の記事にまとめています。

とはいえ、「どれが外せる項目なのか、自分では判断がつかない」という方も多いでしょう。見積書は会社名を隠したままで構いません。

手元の見積書を画像で送ってみてください

【まとめ】仲介手数料を払いたくないなら契約前に動く

仲介手数料を払いたくないなら、契約の前に動くことがすべてです。申し込みの撤回や審査落ちなら請求されず、無料の物件選び・直接契約・見積もりの比較・申し込み前の交渉でも下げられます。

反対に、契約が成立したあとの未払いや、紹介を外す直接契約は、かえって損をまねくだけです。

でふ兄不動産では、仲介手数料だけでなく見積書全体から外せる項目をお伝えしています。

気になる物件の見積書を送ってみてください

払いたくないときのよくある質問

仲介手数料は払わなくてもいいのですか

契約が成立したあとは、払う義務があります。 払わなくていいのは、申し込みを撤回したときや入居審査に落ちたとき、仲介手数料なしの物件で契約したときです。払いたくないなら、契約の前に方法を選んでおきましょう。

仲介手数料を払わないとどうなりますか

鍵を受け取れず、入居できません。 期日を過ぎると遅延損害金がつくことがあり、督促を無視すれば裁判や差し押さえに進むおそれもあります。金額に納得できないときは、支払いの前に見積書の根拠を確かめてください。

案内してもらった会社とは別の会社で契約できますか

別の会社で契約するのは違法ではありません。 ただし、内見まで案内してもらったなら先に断りの連絡を入れ、申し込みを出したあとは乗り換えないのがマナーです。比べるなら内見の前が理想です。

入居審査に落ちたら仲介手数料はかかりますか

かかりません。 契約が成立していないため、仲介手数料は発生せず、預けた申込金も返ってきます。別の物件に申し込み直すことも問題ありません。

仲介手数料を値切ったら審査に不利になりますか

申し込み前の相談なら、審査への影響はありません。 審査をするのは管理会社や保証会社で、仲介手数料の交渉は不動産会社とのやりとりだからです。ただし、高圧的な伝え方は担当者との関係を悪くするので避けましょう。

仲介手数料の1ヵ月分は払わないといけませんか

承諾していなければ、原則は0.5ヵ月分+消費税までです。 1ヵ月分を受け取るには、依頼を受けるまでに借りる側の承諾が必要になります。申込書に承諾の欄があることが多いので、署名する前に確かめましょう。

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この記事を書いた人

2020年不動産業勤務。
2020年不動産ジャンルの発信スタート。
2023年エプロンを着用しでふ兄としての発信をスタート。
2024年DFエステート株式会社を設立。

正当な価格や情報、知識を皆様に提供してまいります。

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