賃貸の仲介手数料が高すぎる理由3選|相場と安くする方法も解説

仲介手数料で家賃1ヵ月分って、さすがに高すぎない?

何にお金を払っているのかがわからない

賃貸の仲介手数料は、家賃1ヵ月分+消費税が上限です。家賃8万円なら8万8,000円になります。数万円が一度に出ていくため、高いと感じるのは自然なことです。

ただし、高く感じる理由と、実際に払いすぎている状態は別のものです。相場どおりでも高く感じるときがあり、逆に相場を超えて請求されているのに気づかない場合もあります。

本記事では、仲介手数料が高いと感じる理由、金額が決まる仕組み、相場、そして高すぎる場合の対処法を解説します。

目次

賃貸の仲介手数料が高すぎると感じる3つの理由

金額そのものより、納得できないまま払う構造に理由があります。

高すぎると感じる理由
  • 何をしてもらったのかが見えにくい
  • 契約の直前に金額を知らされる
  • どの会社に行っても同じ金額になる

この3つがそろうと、金額の妥当性を判断できないまま支払うことになります。

何をしてもらったのかが見えにくい

仲介手数料は、物件の紹介から契約までの業務に対する報酬です。

ただ、借主から見えるのは内見の案内と契約書の説明くらいです。実際には貸主や管理会社とのやりとり、審査の調整、重要事項説明書の作成といった作業がありますが、表に出てこないため対価を実感しにくくなります。

作業量が見えないまま金額だけを示されると、高いという印象だけが残ります。

契約の直前に金額を知らされる

多くの場合、仲介手数料を含む見積書が出てくるのは入居を決めたあとです。

物件が気に入って気持ちが固まった段階で総額を提示されるため、その場で判断するしかなくなります。比較する時間も、断って別の会社を探す余裕もありません。

金額を早い段階で確認しておけば、この状況は避けられます。

どの会社に行っても同じ金額になる

数社を回っても、仲介手数料は家賃1ヵ月分+消費税で横並びになることがほとんどです。

比べる余地がないように見えるため、そういうものだと受け入れるしかなくなります。ただし、これは法律で決まっているからではありません。理由は次の章で解説します。

仲介手数料が「上限=相場」になっているカラクリ

宅地建物取引業法が定めているのは上限だけで、下限に規定はありません。

にもかかわらず横並びになるのは、多くの不動産会社が上限をそのまま請求しているからです。上限が事実上の定価として扱われているため、相場のように見えています。

下限がないということは、0.5ヵ月分でも無料でも法律上は問題ないということです。 実際に無料や半額で募集している会社もあります。

参考:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額|国土交通省

仲介手数料が高くなる原因は不動産会社の運営コスト|3つの費用

上限のまま請求する会社が多いのは、そうしないと採算が合わない構造があるからです。

不動産会社にかかる費用
  • 人件費
  • 広告費
  • 店舗費

この3つが大きいほど、1件あたりで回収すべき金額も上がります。

人件費

賃貸仲介は人が動く仕事です。物件の紹介、内見の同行、審査の調整、契約書の作成まで、すべてに担当者の時間がかかります。

1件の契約までに数週間かかることもあり、成約しなければ報酬はゼロです。契約に至らなかった分の人件費も、成約した契約でまかなうことになります。

広告費

不動産情報サイトへの掲載には費用がかかります。物件1件ごとに月額の掲載料が発生する形が一般的です。

掲載する物件数が多いほど広告費は膨らみます。問い合わせが入らなかった物件の掲載料も、成約した契約から回収する必要があります。

店舗費

駅前に店舗を構えれば、家賃と内装費、そこで働く人の人件費がかかります。立地がよいほど賃料は高くなります。

お客様からあまり費用をいただかなくても会社が成り立つ仕組みを考えました。SNSで宣伝することで広告費をかけないことと、駅の近くに店舗を構えないことの2つです。

運営コストの構造が違えば、請求する金額も変わります。同じ物件でも会社によって初期費用の総額が変わるのは、このためです。

不動産会社にとって仲介手数料は何のお金か

借主側から見えにくいので、会社側の事情も書いておきます。

賃貸仲介だけをおこなう会社にとって、仲介手数料はほぼ唯一の収入源です。 管理業務や売買を手がけていない会社では、仲介手数料が売上のすべてになります。

そのため、大きく値引きを求められると、対応に割ける時間を減らさざるを得なくなります。 悪意ではなく、採算の問題です。

一方で、貸主から広告料(AD)を受け取れる物件なら事情は変わります。借主から受け取らなくても利益が出るため、無料や半額での募集が可能になります。

仲介手数料に含まれる業務

支払っている対価の中身です。

物件の紹介・内見の調整・契約書類の作成が含まれる

希望条件の聞き取りから物件の提案、内見の予約と同行、入居申し込みの取り次ぎ、審査の調整、重要事項説明書と契約書の作成と説明までが含まれます。

重要事項説明は、宅地建物取引士の資格を持つ人しかおこなえません。 資格者が内容を確認したうえで説明する義務があります。

契約が成立しなければ発生しない

仲介手数料は成果報酬です。内見しただけ、申し込みを取り消しただけでは発生しません。

何社を回っても、契約しなければ費用はかかりません。複数社で見積もりを取ることに、金銭的なリスクはありません。

本来、借主が払うのは賃料0.5ヵ月分+消費税まで

見落とされやすい決まりです。

居住用の建物では、不動産会社が依頼者の一方から受け取れるのは原則として賃料0.5ヵ月分+消費税までと定められています。

借主から1ヵ月分+消費税を受け取るには、依頼を受けるまでに借主の承諾を得る必要があります。 承諾は契約の直前ではなく、部屋探しを依頼する段階で得ることが求められています。

申込書や媒介契約書のなかで承諾を取っている会社が多いため、気づかないまま同意している場合があります。

参考:宅地建物取引業法|e-Gov法令検索

賃貸の仲介手数料の相場|上限は賃料1ヵ月分+消費税

家賃別の目安です。

家賃ごとの仲介手数料の上限
  • 家賃6万円|6万6,000円
  • 家賃8万円|8万8,000円
  • 家賃10万円|11万円
  • 家賃12万円|13万2,000円

貸主と借主の負担を合わせて、この金額を超えることはできません。 超えていれば宅地建物取引業法に違反します。

ただし、初期費用の総額は仲介手数料だけでは決まりません。 敷金、礼金、前家賃、火災保険料、保証会社の利用料などを合わせると、家賃の4.5〜5ヵ月分が目安になります。家賃7万円なら31万5,000〜35万円ほどです。

この目安から大きく離れていたら、内訳を確認する理由があります。

売買の仲介手数料は計算方法が違う

賃貸と混同されやすいので整理します。

売買の仲介手数料は、物件価格に応じて上限が決まります。 400万円を超える部分は「物件価格×3%+6万円+消費税」という速算式が使われます。

3,000万円の物件なら105万6,000円です。賃貸とは桁が違うため、値引き交渉の考え方も変わります。

本記事で扱っているのは賃貸の仲介手数料です。

賃貸の仲介手数料が高すぎる場合|安くする5つの方法

金額を下げる手立ては複数あります。

仲介手数料を安くする方法
  • 仲介手数料が無料の物件を探す
  • 不動産会社の自社物件を探す
  • 値下げ交渉する
  • 相見積もりを取る
  • 見積書を送って確認してもらう

上にいくほど手間がかからず、下にいくほど確実性が上がります。

仲介手数料が無料の物件を探す

貸主が広告料を出している物件です。築年数が経っている物件や、募集期間が長引いている物件で見かけます。

ただし、無料になったぶんが消毒代やサポート料として戻ってくることがあります。見積書は総額で確認しましょう。

不動産会社の自社物件を探す

不動産会社が貸主を兼ねている物件です。仲介という立場をはさまないため、そもそも仲介手数料が発生しません。

紹介してもらえるのはその会社の物件だけなので、選べる範囲は限られます。

値下げ交渉する

下限に規定はないため、交渉自体は自由です。

通りやすいのは物件を紹介してもらう前です。契約直前や審査に入ってからの交渉は、トラブルになりやすいので避けましょう。

相見積もりを取る

賃貸物件の約90%は、どこの不動産会社でも契約できます。 同じ物件を複数社に問い合わせれば、総額の差がわかります。

大事なことはただ一つです。契約するときに、見積書は3つの業者からもらってください。一番安いところで申し込むようにしてください。

2社では、どちらが標準的なのか判断できません。3社そろえば、極端に高い会社と安い会社が見分けられます。

契約しなければ費用はかからないので、比べることに損はありません。

見積書を送って確認してもらう

すでに見積書が手元にあるなら、別の会社に見てもらう方法があります。

見積書をもらったら、余計なオプションや省ける項目がないか必ず確認してみてください。1万円以上は平気で変わります。

仲介手数料以外で初期費用を下げる3つの方法

仲介手数料だけを見ていると、下げられる余地を見落とします。

仲介手数料以外で下げられる項目
  • 礼金なし・敷金なしの物件を選ぶ
  • フリーレント付きの物件を選ぶ
  • 任意のオプションを外す

礼金は貸主に渡し切りのお金で、返ってきません。礼金1ヵ月分がなくなるだけで、仲介手数料1ヵ月分と同じ効果があります。

フリーレントは入居後の一定期間の家賃が無料になる条件です。1ヵ月分が無料になれば、前家賃を抑えられます。

消毒代、24時間サポート、室内清掃といったオプションは、契約の条件になっていなければ外せることがあります。 見積書に並んでいても、必須とは限りません。

「今決めないと他の人に取られます」と言われたら要注意

見積書を比べる時間を奪う一言があります。

「今その契約をしないと、他の人が契約するかもしれないですよ」と言ってきたら即アウトです。確かにその可能性はあるけれど、その一言で10万円以上損することもあります。

先に決まってしまう可能性は実際にあります。人気物件では起こりますし、担当者が嘘をついているとは限りません。

問題は、その一言で見積書を比べる時間がなくなることです。急かされた結果、相場より高い総額でサインしてしまえば、失う金額のほうが大きくなります。

判断の目安は、物件の条件と初期費用の総額を切り離して考えることです。物件が本当に気に入っているなら、総額を確認したうえで決めても間に合うことがほとんどです。

仲介手数料の安さだけで決めると損をすることがある

無料や半額をうたう会社が、必ず安いとは限りません。

仲介手数料を下げたぶんを、別の名目で回収している場合があります。 消毒代3万円、24時間サポート2万円、室内清掃2万円が加われば、無料になった1ヵ月分は相殺されます。

仲介手数料が無料でも、総額では高くなっていることがあります。逆に1ヵ月分を払っていても、他の項目が抑えられていれば総額は安く収まります。

比べるべきなのは仲介手数料という1項目ではなく、見積書の総額です。

会社を選ぶときの判断材料として、発信をしているかどうかを見る方法もあります。

うちはSNS専門の不動産会社なので、ぼったくりなんてしたら炎上して晒されてしまいます。だから安くするしかないんです。

名前と顔を出して発信している会社は、不当な請求をすれば評判が残ります。逆にいえば、社名だけで実態が見えない相手ほど、見積書の中身を確認する必要があります。

現役の不動産会社としての結論|仲介手数料は高いのか

賃貸仲介をしている立場から、正直なところを書きます。

相場どおりでも「高い」と感じるのは自然

家賃1ヵ月分+消費税は、支払う側から見れば決して小さい金額ではありません。しかも数万円が一度に出ていきます。

一方で、契約1件にかかる人と時間は表に出てきません。見えない作業に対して数万円を払う構図なので、高いと感じるのは当然だと考えています。

「高いと感じるあなたがおかしい」という話ではありません。

本当に問題なのは総額が相場から離れているとき

確認すべきなのは、仲介手数料が1ヵ月分かどうかではありません。初期費用の総額が相場から離れていないかです。

初期費用の目安は家賃の4.5〜5ヵ月分でした。家賃7万円なら31万5,000〜35万円ほどです。

DFエステートには、家賃7万円の物件で初期費用が52万円だったという相談が寄せられたことがあります。17万〜20万円離れていた計算です。仲介手数料だけを見ていては気づけません。

見積書を3社そろえれば判断できる

相場を暗記する必要はありません。同じ物件の見積書を3社から取れば、極端に高い会社は一目でわかります。

1社の見積書だけを見ていても、その金額が高いのか安いのかは判断できません。並べてはじめて差が見えます。

賃貸物件の約90%はどこの不動産会社でも契約できるので、気になる物件が決まっていれば比較できます。契約しなければ費用はかからないため、比べることに損はありません。

賃貸の仲介手数料が高すぎるときは見積書の総額で確認しよう

賃貸の仲介手数料の上限は賃料1ヵ月分+消費税です。ただし法律が決めているのは上限だけで、下限に規定はありません。

高いと感じる理由の多くは、業務の中身が見えにくく、契約直前に金額を知らされるという進め方にあります。金額を早い段階で確認できれば、判断する時間が生まれます。

確認したいのは、仲介手数料の金額そのものより初期費用の総額です。

でふ兄不動産では、物件探しから初期費用の確認まで、どの段階からでもご相談いただけます。

まだ部屋が決まっていない方は、エリアと家賃の希望をお送りください。すでに見積書がある方は、そのまま送っていただければ削れる項目が残っていないかを確認します

まずはLINEより無料相談してみてください。

賃貸の仲介手数料に関するよくある質問

借りなくても仲介手数料はかかりますか

かかりません。 仲介手数料は契約が成立して初めて発生する成果報酬です。内見しただけ、申し込みを取り消しただけでは請求されません。すでに支払っている場合は返還を求められます。

複数の不動産会社を回ってもいいですか

問題ありません。 契約しなければ費用は発生しないため、何社に問い合わせても金銭的なリスクはありません。賃貸物件の約90%はどこの不動産会社でも契約できるので、同じ物件で総額を比べられます。

仲介手数料に消費税はかかりますか

かかります。 上限は賃料1ヵ月分+消費税と定められているため、家賃8万円なら8万8,000円が上限です。見積書が税込か税抜かを確認しておくと、総額を比べるときに迷いません。

仲介手数料が無料の会社は信用できますか

無料であること自体は問題ありません。 貸主から広告料を受け取れる物件であれば、借主から受け取らなくても利益は出ます。ただし別の名目で上乗せされていないか、見積書の総額で確認してください。

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この記事を書いた人

2020年不動産業勤務。
2020年不動産ジャンルの発信スタート。
2023年エプロンを着用しでふ兄としての発信をスタート。
2024年DFエステート株式会社を設立。

正当な価格や情報、知識を皆様に提供してまいります。

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