
見積もりを他社に見せるのはNG?



相見積もりを取るときのマナーを知りたい
見積もりを他社に見せるのは違法ではありません。ただし、会社名が入った見積書をそのまま見せるのはマナー違反です。
金額だけを伝えて比べる方法もありますが、それではどの項目が高いのかまではわかりません。
一方で、会社名を隠した見積書を項目ごとに見てもらえば、削れる費用まで確かめられます。
本記事で解説するのは、見積もりを他社に見せるときの注意点と伝え方の文例、削れる項目の見つけ方です。



読み終えるころには、どの会社に何をどう伝えればよいかまでわかります。
見積もりを他社に見せても違法ではない


見積書を他社に見せる行為を禁じる法律はありません。
値下げの相談のために他社の金額を伝えるのは、賃貸に限らず広くおこなわれている商習慣です。
「他社に見せたら訴えられるのでは」と不安になる方もいますが、心配はいりません。借りる側は、見積書について秘密を守る約束を不動産会社と交わしていないのが通常です。そのため、他社に見せても契約違反にはあたりません。
法律で決まっているのは、見積書の扱いではなく金額の上限です。たとえば仲介手数料は、宅地建物取引業法で家賃1ヵ月分+消費税が上限と定められています。
例外は、見積書に「社外秘」「転載禁止」といった記載がある場合です。書かれていれば、その指示に従いましょう。
まずは手元の見積書を開いて、欄外にそうした記載がないかを確かめておきましょう。
見積もりを他社に見せるのはマナー違反


マナー違反になるのは、会社名や担当者名が入った見積書をそのまま見せる場合です。
見積書には、その会社が独自に組んだプランやキャンペーン、担当者の名前が載っています。どれも、他社には知られたくない情報です。
一方で、金額や条件を伝えて比べるのはマナー違反ではありません。 複数の会社から見積もりを取る相見積もり自体も、部屋を探す人の多くがおこなっています。
相見積もり全体のマナーは、次の記事でくわしく解説しています。


他社に伝えるのは、原本ではなく金額と条件だけにしてみてください。
見積もりを他社に見せる3つのリスク


原本をそのまま見せると、得をするつもりが損につながることがあります。
- 営業の妨げになる:プランやキャンペーンの中身が他社に伝わる
- 他社と同じ金額に寄せられる:本来もっと下げられたのに、横並びの金額で出される
- 担当者との関係がこじれる:原本を見た担当者が不快に感じ、対応が後回しになる
順番に見ていきます。
営業の妨げになる
見積書の原本には、その会社の手の内がすべて載っています。
どのオプションを付けて、どのキャンペーンを使い、いくらで出しているのか。原本を見れば、他社はそれをまるごと把握できます。
情報を受け取った会社が、比べられた相手を悪く言って自社に引き寄せようとする可能性もゼロではありません。
見せた側に悪意がなくても、結果として一方の会社の営業を邪魔する形です。
他社と同じ金額に寄せられる
原本を見せると、その金額が「基準」になってしまいます。
たとえば他社の見積もりが初期費用30万円だったとします。それを見た会社は、本当は28万円まで下げられても、29万円台で出してくるかもしれません。
相手に上限を教えた状態で交渉するのと同じです。



金額だけを伝える場合も、項目ごとの内訳までは出さないほうが有利です。どこまで下げられるかは、相手に考えてもらいましょう。
担当者との関係がこじれる
見せられた側の担当者も、気持ちのいいものではありません。
「他社の書類を平気で見せる人」と受け取られると、その後のやりとりがぎこちなくなります。返信が遅くなったり、交渉に乗り気でなくなったりすることも珍しくありません。
賃貸の契約は、申し込みから入居まで同じ担当者と何度も連絡を取ります。最初に関係がこじれると、そのあとの手続きにも響きます。
見積もりを他社に見せるときの5つの注意点


見せるなら、申し込みの前に、会社名を隠して、同じ条件で比べます。
- 申し込み前に済ませる:申し込み後の比較はトラブルのもとになる
- 会社名と担当者名は隠す:画像なら塗りつぶせば十分
- 金額は口頭かメモで伝える:原本を渡さずに済む
- 同じ物件と入居日で比べる:条件が違うと総額を比べられない
- 審査中は他社に頼まない:管理会社に気づかれることがある
申し込み前に済ませる
比べるのも交渉するのも、入居の申し込みより前におこないます。
申し込みのあと、不動産会社は管理会社に書類を送り、審査の手続きに入るのが一般的です。そのあとで「他社はもっと安かった」と持ち出すと、担当者の手間を無駄にさせてしまいます。
申し込み前であれば、比べたうえで条件の良い会社を選び直しても誰にも迷惑はかかりません。選ばなかった会社には、見積もりを作ってもらったお礼を添えて早めに断りの連絡を入れておきましょう。


会社名と担当者名は隠す
原本を見せるなら、会社名・担当者名・連絡先を隠します。
紙なら付箋で覆う、画像ならスマホの編集機能で塗りつぶす。どちらも数十秒で終わります。
金額や項目名はそのまま残して大丈夫です。どの会社が出したかさえわからなければ、見せられた側も比べやすくなります。
金額は口頭かメモで伝える
原本を渡さなくても、比べるのに必要な情報は伝えられます。
伝えるのは「総額」と「気になる項目の金額」の2つで十分です。
項目が多いときは、メモに書き写して見せる方法もあります。自分の字で書き写せば、会社名が相手に伝わる心配もありません。
同じ物件と入居日で比べる
条件がそろっていない見積もりは、並べても比べられません。
入居日が違えば、日割り家賃や前家賃の額が変わります。同じ建物でも部屋が違えば、家賃も敷金も変わります。
依頼するときは、物件名・部屋番号・入居希望日を全社に同じ内容で伝えましょう。 これだけで、総額の差がそのまま会社の差として見えます。
審査中は他社に頼まない
入居審査が始まったら、同じ物件の見積もりは他社に頼みません。
管理会社には、同じ部屋についての問い合わせが複数の不動産会社から届きます。申込者と同じ名前が別の会社から出てくれば、気づかれることがあります。
すでに申し込みを済ませた方は、審査が終わるまで他社への依頼を控えるのが安全です。
見積書を他社に見せるなら、申し込みの前に、会社名を隠した見積書を同じ条件で並べてみてください。
他社の金額を伝える3つの文例
他社の条件を事実として伝え、この会社で決めたいという気持ちを添えると、相談として受け取ってもらえます。
「A社はもっと安かった」とだけ言うと、値切りに聞こえます。先に「御社で決めたい」と伝えるのがコツです。
交渉に慣れていない方でも、次の文例ならそのまま使えます。
対面で伝える
店頭では、決めたい理由と金額をセットで伝えます。
「この物件は御社で決めたいと思っています。ただ、別の会社さんで初期費用が総額◯万円と出ていて、できればこの金額に近づけていただけないでしょうか。」
見積書を見せてほしいと言われたら、会社名を隠したものを出せば問題ありません。
LINEやメールで送る
文字で残るので、あとで条件の食い違いが起きにくい方法です。
「◯◯マンション◯号室の初期費用について相談です。別の会社さんでは総額◯万円でした。入居日は◯月◯日の予定です。御社で契約したいので、見直せる項目があれば教えてください。」
物件名と入居日を書き添えると、相手も同じ条件で計算し直せます。メールでの交渉の例文は、次の記事にまとめています。


電話で伝える
電話では、金額を言ったあとに文字でも送ります。
「先ほどお電話した◯◯です。別の会社さんの総額は◯万円でした。念のためLINEでも送っておきます。」
数字は聞き間違いが起きやすいので、電話だけで終わらせないのが安全です。
3つの文例から、自分の連絡手段に合うものを選んで送ってみてください。
他社の見積もりで値下げと言われたら
「他社の見積もりを見せてくれれば、そこより安くします」という提案は珍しくなく、多くの場合は問題ありません。
物件によっては、貸主から不動産会社へ広告料(AD)が支払われています。この広告料があれば、借りる側の費用を下げても不動産会社の利益はなくなりません。この提案を受けた方は「裏があるのでは」と身構えがちですが、安くできるのにはこうした理由があります。
注意したいのは、別の名目で上乗せされていないかです。仲介手数料は下がったのに、サポート費や消毒代が増えて総額が変わらない、ということも起こります。



同じ物件でも会社によって金額が違う理由は、次の記事でくわしく解説しています。


値下げ後の見積書が届いたら、前の見積書と項目ごとに並べて、総額が本当に下がったかを確かめましょう。
相見積もりで初期費用を抑える3つの方法


比べる前に、そもそもの初期費用を下げておく方法もあります。
- 閑散期を狙って探す:貸主が条件の相談に応じやすい
- 不要なオプションを外す:必須でない項目は外せる
- 敷金と礼金のない物件を選ぶ:家賃1〜2ヵ月分がまるごと浮く
閑散期を狙って探す
5月から8月、11月から12月は、条件を相談しやすい時期です。
1月から4月は進学や就職で部屋を探す人が多く、条件を下げなくても入居者が決まります。反対に閑散期は空室を早く埋めたい貸主が多く、礼金やフリーレントの相談も通りやすい時期です。
時期を動かせる人は、繁忙期を避けるだけで総額が変わります。見積もりを取るタイミングは、次の記事でくわしく解説しています。


不要なオプションを外す
見積書には、入居に必須ではない項目が含まれていることがあります。
消毒や抗菌の施工、24時間の駆けつけサービスなどが代表的です。
「この項目は必須ですか」と聞けば、外せるかどうかがわかります。外せないと言われた項目は、契約書や募集図面に記載があるかも確かめましょう。


敷金と礼金のない物件を選ぶ
敷金と礼金は、それぞれ家賃の1〜2ヵ月分が相場です。
家賃8万円の物件なら、ゼロになるだけで数十万円の差が出ることもあります。とにかく初期費用を下げたい方に向いた方法です。
ただし、敷金がない物件は、退去時のクリーニング代を別に請求されることがあります。築年数や駅からの距離に理由がある場合もあるので、安さの理由も確認しておきましょう。


とはいえ、「もう物件は決まっていて、時期も動かせない」という方も多くいます。その場合は、今の見積書のまま相談できます。
手元の見積書と物件のURLを送ってみてください。時期や物件を変えずに下げられる項目を探します。
ほとんどの見積書に削れる項目が見つかる(自社の実績)
でふ兄不動産に届く初期費用の見積書は、ほとんどで削れる項目が見つかります。
でふ兄不動産には、他社でもらった見積書が毎日のように届きます。でふ兄本人の言葉を借りれば、同じ物件でも「初期費用は5万円とか平気で変わる」のが実情です。
大手の不動産会社は人件費や駅前の店舗の家賃がかかるぶん、オプションや保険で利益を確保する傾向があります。ただし、大手でも安い会社はあります。会社の大きさではなく、見積書の中身で判断するのが確実です。
削れることが多いのは、次の3つです。
- 消毒や抗菌のオプション:入居に必須ではなく、任意で付いていることが多い
- 安心サポートなどの会員費:火災保険やクレジットカードの付帯サービスと重なりやすい
- 火災保険と保証会社のプラン:条件を満たせば、ほかの保険やプランを選べる場合がある
消毒や抗菌のオプション
入居前の消毒・抗菌施工は、多くの場合は任意です。
見積書では「室内消毒」「抗菌コート」「消臭施工」などの名前で載っています。
新築や、退去後にクリーニングが済んでいる部屋なら、改めて施工する必要性は高くありません。必須かどうかを聞いて、任意なら外してもらいましょう。
安心サポートなどの会員費
鍵の紛失や水まわりのトラブルに駆けつけるサービスの会費です。
「24時間サポート」「安心入居サポート」といった名前で、初期費用にまとめて載っていることがあります。
火災保険やクレジットカードに同じような付帯サービスが付いていれば、二重に払っている状態です。すでに持っているサービスと中身が重なっていないかを確かめてみてください。
火災保険と保証会社のプラン
火災保険と保証会社は、同じ補償でも選び方で金額が変わります。
火災保険は、貸主が求める補償の条件を満たしていれば、自分で選んだ保険に入れる場合もあるのです。
保証会社も、不動産会社によって提携先や初回の保証料が違います。同じ物件で保証料だけが高いと感じた方は、ほかのプランがないかを聞いてみましょう。
でふ兄本人が、見積書のどこを見て何を削るのかを動画で解説しています。
手元の見積書に3つのどれかが載っていれば、削れる余地があるということです。
ただ、「どれが必須でどれが任意なのか、見積書だけでは判断できない」と迷う方もいます。印をつけた見積書は、画像のままで大丈夫です。
印をつけた見積書を送ってみてください。任意の項目かどうかを確認します。
会社名を隠して見積書を送る手順(自社の知見)
でふ兄不動産には、会社名を隠した見積書のまま送ってもらって大丈夫です。
- 気になる物件の初期費用の見積書をもらう
- 会社名を隠した見積書の画像と、物件のURLを送る
会社名がわからなければ、見せる側のマナー違反にもなりません。
でふ兄不動産はSNSで集客し、駅前に店舗を構えないことで経費を抑えています。そのぶん、初期費用全体を見直した金額で案内できるのが強みです。



とはいえ、「どの項目を削れるのか自分では判断できない」という方も多くいます。
会社名を隠した見積書の画像と物件のURLを送ってみてください。削れる項目が残っていないか確認します。
【まとめ】相見積もりを他社に見せるのは違法ではない


相見積もりを他社に見せるのは、違法ではありません。マナー違反になるのは、会社名や担当者名が入った見積書をそのまま見せる場合です。
見せるなら、申し込みの前に、会社名を隠して、同じ物件と入居日で比べましょう。金額だけを伝えるなら、決めたい気持ちを添えると相談として受け取ってもらえます。
ただ、金額だけでは、どの項目が高いのかまではわかりません。
でふ兄不動産に届く初期費用の見積書は、ほとんどで削れる項目が見つかります。会社名を隠したままで構いません。
相見積もりのよくある質問
- 賃貸の相見積もりはバレますか
-
申し込み前なら、知られても問題ありません。 相見積もりは賃貸では当たり前におこなわれています。ただし、審査中に同じ物件の見積もりを別の会社へ頼むと、管理会社に気づかれることがあるので避けましょう。
- 賃貸で不動産会社が一番嫌がる行動は何ですか
-
申し込みのあとで他社と比べ始めることです。 審査の手続きが進んでいるため、担当者の手間が無駄になります。連絡をしないまま音信不通になることや、他社の見積書の原本をそのまま見せることも嫌がられます。
- 相見積もりでやってはいけない行動は何ですか
-
申し込み後の比較、原本の横流し、条件をそろえない比較の3つです。 入居日や部屋が違う見積もりを並べても、会社の差は見えません。比べるなら、申し込みの前に同じ条件で依頼するのが基本です。
- 他社の見積書を見せてと言われたら断ってもいいですか
-
断っても問題ありません。 見積書を他社に見せる義務はないためです。比べてもらいたいときは、総額と気になる項目の金額だけを口頭で伝える方法もあります。見せる場合は会社名を隠せば問題ありません。
- 管理会社に直接頼めば初期費用はどこも同じですか
-
同じにはなりません。 家賃や敷金、礼金は物件側の条件なので変わりませんが、仲介手数料やオプション、キャンペーンの有無は不動産会社ごとに違います。そのため、同じ部屋でも総額には差が出ます。
- 見積もりを他社に見せるのは違法ですか
-
違法ではありません。 見積書を他社に見せることを禁じる法律はなく、借りる側が秘密を守る約束を交わしていることも通常はありません。ただし、会社名や担当者名が入った原本をそのまま見せるのはマナー違反です。
- 相見積もりは何社まで頼んでいいですか
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2社から3社が目安です。 概算の金額を聞くだけなら何社でも構いませんが、詳細な見積もりは管理会社への確認が必要になり、不動産会社の手間が増えます。同じ物件・同じ入居日で、比べたい会社に絞って依頼しましょう。
- 一番安い見積もりの会社に決めていいですか
-
総額が一番安く、内訳にも納得できるなら問題ありません。 金額だけで選ぶと、必要な項目が抜けていて入居後に別の費用がかかることがあります。項目ごとに何の費用かを確かめてから決めましょう。
- ハウスメーカーの見積もりも他社に見せていいですか
-
見せても違法ではありませんが、原本のまま見せるのは避けましょう。 家を建てるときの見積書も、プランや仕様にその会社の工夫が詰まっています。会社名を隠すか、金額と仕様だけを伝えて比べるのが無難です。









